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「歴史を学び、声をあげよう」ノーベル委員長が日本被団協代表委員らと上智大で講演

  • 執筆者の写真: 岡﨑 祐仁
    岡﨑 祐仁
  • 7月31日
  • 読了時間: 2分

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員・田中煕巳さん(93)と、日本被団協に昨年のノーベル平和賞を授与したノルウェー・ノーベル委員会のヨルゲン・バトネ・フリードネス委員長が7月27日、上智大学四谷キャンパスでそろって講演した。フリードネス委員長は被爆者の活動について「世界が必要としている光だ」と評価し、講演を聞く若者たちに「歴史を学び、忘却を拒否し、声をあげよう」と呼びかけた。


記者会見後に握手をする日本被団協の田中熙巳代表委員(左)とノーベル委員会のフリードネス委員長=2025年7月27日午前、東京都千代田区、岡﨑祐仁撮影
記者会見後に握手をする日本被団協の田中熙巳代表委員(左)とノーベル委員会のフリードネス委員長=2025年7月27日午前、東京都千代田区、岡﨑祐仁撮影
パネルディスカッションを受けてコメントする日本被団協の田中熙巳代表委員(スクリーン)=2025年7月27日午後、東京都千代田区、岡﨑祐仁撮影
パネルディスカッションを受けてコメントする日本被団協の田中熙巳代表委員(スクリーン)=2025年7月27日午後、東京都千代田区、岡﨑祐仁撮影

 ノルウェー・ノーベル研究所が主催し、日本被団協と上智大学が共催する「ノーベル平和賞カンファレンス in Tokyo『核兵器の脅威への対応』」が、上智大学四谷キャンパス6号館1階(東京都千代田区)で開かれ、フリードネス委員長らが登壇した。ノーベル研究所が母国ノルウェー以外で主催する初のシンポジウムだという。

 

 日本被団協の田中さんは講演で、「核兵器は極めて非人道的な殺戮兵器であり、人類と共存させてはならない」と訴えた。存命の被爆者の平均年齢が86歳を超えたことに触れて、次の世代が工夫して被団協の運動を築いていくことに期待を寄せた。

 

 講演に先立って開かれた記者会見で田中さんは、原爆被害への国家補償について、「ごく自然なことで、人権だ」と語った。国家が決定した戦争によって起きた被害は、国家が責任を負うべきだという考え方に基づいている。

 

日本被団協の児玉三智子事務局次長=2025年7月27日午後、東京都千代田区、岡﨑祐仁撮影
日本被団協の児玉三智子事務局次長=2025年7月27日午後、東京都千代田区、岡﨑祐仁撮影

 日本被団協の児玉三智子事務局次長は、「再び被爆者を作らないでください。希望が持てる青い地球を次世代に渡しましょう」と訴えた。「人間の生の声は、本を読むことの数倍の力がある。いまは被爆者の生の声が聞ける最後の世代」と力を込めた。

 

 今月22日、23日に広島、長崎を訪れたフリードネス委員長は、原爆投下から80年という節目の年を核兵器廃絶に向けた転換点にしてほしいと話した。

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編集長 奥山 俊宏

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