「私人逮捕系YouTuber」として活動していた煉獄コロアキこと杉田一明容疑者が名誉毀損容疑で警視庁に逮捕される前の10月、上智大学文学部新聞学科の学生が、X(旧Twitter)を通じて煉獄コロアキ氏にインタビューを申し込んだ。一般女性を逮捕しようとする様子のモザイクなしの動画の公開に視聴者らから「やりすぎ」と批判が集まっている状況についてダイレクトメッセージで質問を送ると、同氏から「優しく話しかけて、モザイクかけた動画流しても誰も見ない」との返答があった。
煉獄コロアキ氏は、2023年10月23日時点で、Xのフォロワーが約6万5千人、YouTubeのチャンネル登録者数が7830人で、チケットの転売や未成年の大久保公園における売春を撲滅するためとして、「私人逮捕」に取り組んでいた。 学生は、所属する新聞学科の必修授業「時事問題研究Ⅱ」で「私人逮捕」をテーマに発表するため、10月20日、Xのダイレクトメッセージで煉獄コロアキ氏にインタビューを申し込んだ。すると、翌日、「はじめまして! OKです」と返信があった。すぐに質問を送ったところ、同月23日、一問一答の形式で返答が送られてきた。以下はその内容で、この返答にある「ガッツch」というのは、同じく私人逮捕に取り組む動画配信者の1人を指す。
――私人逮捕に取り組むようになったきっかけは何か。
煉獄コロアキ氏「暇でお金がなかったときに、ガッツchの痴漢の私人逮捕の動画を見たから。」
――最近、いわゆる「私人逮捕系youtuber」が増えてきているが、それについてどう考えているか。
煉獄コロアキ氏「良いと思います!警察も全部の犯罪にまんべんなく動けるわけではないので。」
――煉獄コロアキさんが私人逮捕をしようとする動画がYouTubeやX上で視聴者からやりすぎだという声もあるが、それについてはどう考えているか。
煉獄コロアキ氏「犯罪者に優しく話しかけて、モザイクかけた動画流しても誰も見ないし、本人も犯罪やめないと思います。俺は男女平等で女にも厳しく行きます。女にだけ甘くするのは男女不平等!」
――私人逮捕やそのやり方に賛否両論ある中、今後も同様に活動を続けていくのか。
煉獄コロアキ氏「チケット転売ヤー凸はジャニーズが公式リセール作るまでやります。」
このように、自身の逮捕のきっかけとなった動画について、批判が集まる中でも、反省の色は見られず、今後も活動を続けていくと強気に回答した。自らが逮捕されるとは考えていなかったようで、過激ともいえる動画の公開に、視聴数を増やすためとの狙いがあることを隠そうともしなかった。
煉獄コロアキ氏にインタビューを申し込んだのは、「時事問題研究Ⅱ」のグループDのための取材の一環。「ガッツch」にもX経由でダイレクトメッセージを送って取材を申し込み、即座に「大丈夫ですよ!」との返信があったものの、具体的な質問への回答は来なかった。煉獄コロアキ氏へのインタビューの結果を含め「私人逮捕」に関するリサーチの結果は10月24日午後の授業で発表した。教員からは「おとり捜査に該当する可能性があり、適法な私人逮捕とは言えないのではないか」などのコメントがあった。